2013年6月19日、第27回山陰研究サロンを開催しました。

P1010875.jpg
発表者の佐々木愛先生



今回は社会文化学科(東洋史学)の佐々木愛先生に、2012年度中国・上海での研修の間に経験されたこと、新たに認識されたことなど報告いただきました。

日本の報道で紹介されるデモの模様などを通じて、私たちは、中国には全体に反日的な感情や活動が行き渡っているかのようなイメージを持ちやすいのですが、それが正確ではないことが、具体的な事例を踏まえて紹介されました。

中国のような国土の面積も人口も規模が極めて大きく、多民族、多言語からなる国においては、国境の内側をもって即座に「わたしたち」とみなす統合的な感覚は起こりにくい状況にあるとのことです。さらに国家と社会との関係を歴史的に見ると、封建制のもと権力が重層的に存在した日本とは異なり、中国では権力が皇帝に一極に集中していたことにより社会との距離が遠く、民衆は政治とは無関係とみなす意識が強いこと、そして中国には日本のような共同体としての家や村が存在しなかったため、組織や団体への帰属意識は希薄で、友人などとの1対1の人間関係を重要視しているとのことです。

町で暮らす一般の人たちが、訪れた日本人と普通に友好的に接しているという事実と、その背景にある歴史的な要因について、実際の経験と分析を交えて具体的にお話しいただきました。

(田中・佐々木)


P1010876.jpg
研究サロンの様子