6月6日に山陰サロンを行いました。
毎月恒例の開催で、肩の力を抜いた研究交流の楽しい場として定着しています。
6700ac26.jpg


今月は、新任で法文学部にいらしたばかりの及川先生に、
「先史時代における黒曜石原産地の開発と利用について―中部高地霧ヶ峰と隠岐
の比較―」

と題して話題提供いただきました。

及川先生がこれまで研究されてきた黒曜石について、はるか古代にこれがヤジリなどに使われたことやその使用の分布、発掘の様子について、黒曜石の現物も実際に手に取りながら報告していただき、大変興味深いものでした。

とくに、つい最近、考古学の世界や地元でも話題となった(山陰中央新報5月20日付「黒曜石の大規模採掘跡:隠岐の島で発見」)、隠岐の島の黒曜石の採掘跡について、及川先生が実際に現場に行かれた際の写真などを示しながら報告いただきました。

考古学が、地質や地層についての極めて自然科学的な知識が必要であること、年代特定に見られるような工学的な分析手法を使うことなども話題に上り、多岐にわたって質疑・議論されました。
ccbfd71e.jpg
893942e3.jpg

新任にもかかわらず、精力的に地元の研究にコミットされる及川先生の今後の活躍を、楽しみにしております。

今回のサロンの概要

第18回サロン
   日時 2012年6月6日(水) 16時15分~17時30分
   場所 法文学部棟 山陰研究センター談話室
   話題提供者  及 川  穣(法文学部・考古学)
   報告論題 「先史時代における黒曜石原産地の開発と利用について―中部高地霧ヶ峰と隠岐の比較―」

 発表者は、これまで、日本列島における旧石器時代から縄文時代への移行過程に焦点をあてて研究してきました。当該時期は、地質時代の区分でいう更新世から完新世への移行期にもあたります(今から約12000年前頃)。

 氷河時代が終焉をむかえ、地球規模での急激な温暖化が進むとともに、気候や地形、動植物相に大きな変化が生じました。このような自然環境への人類の適応や積極的な働きかけの様子を“資源開発行動”をキーワードに探求しています。

 具体的には、発表者がこれまで携わってきた、中部高地霧ヶ峰一帯に所在する黒曜石の原産地採掘鉱山の調査・研究を紹介するとともに、隠岐産黒曜石原産地の開発と利用の意義についても触れたいと思います。